ソウルメイト独り言

バンド鶴がとても好き

【MUSICSHELF】brainchild’sインタビュー/2016年2月

MUSICSHELF掲載

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MUSICSHELFでの好きな記事でしたが2018年3月31日にサイトが閉鎖されてしまいました。もったいないのでここに掲載させてもらおうと思います。
http://musicshelf.jp/

 

 

brainchild’s  2016.02.24公開

新生brainchild's、またひとつ上の高みへ

 

菊地英昭(ザ・イエロー・モンキー)率いるbrainchild’sの最新作が到着。メインヴォーカルに渡會将士(FoZZtone)、ベースに神田雄一郎(鶴)、ドラムに岩中英明(Jake stone garage)という新たなメンバーが集結し、ミニアルバムを完成させた。新しい声が転がり、ソリッドなギターが歌う、“ザ・バンドサウンド”といった様相で、最強のグルーヴ感、バンド感、ライヴ感、生身の人間がもつ肉体感をあますところなく伝える会心作となっている。チャレンジ精神と遊び心はそのままに新たなステージへと踏み出したbrainchild’s。充実感みなぎる新作『HUSTLER』について、首謀者・菊地英昭に訊いた。

 

―― 前作『4』は2014年ですから、そろそろ2年が経ちますね。

『4』を出してからアルバムツアーとアコースティックツアーを廻ったんですけど、自分も含め4人一応歌えるので、歌える人間だけでアコースティックで廻って、その後、それをもうちょっと発展させようという感じで「真ん中」っていうシングルを作ったんです。それが去年の夏。自分的にはシングルとミニアルバムの中間くらいの位置づけの作品で、四者四様の歌で、しかもアコースティックとバンドとの中間ぐらいの感じだったんですけど。

―― brainchild’sのメンバーも増えましたね。

最初にbrainchild’sを立ちあげた時から様々なアーティストとコラボレーションしてきて、レギュラーメンバーが6人になったんですよ。そのフルメンバーでのアンサンブルを上手く活かせることってなんだろうなって考えて作ったのが「真ん中」というシングルだったんですね。これに合わせて「brainchild’s hybrid na tei de Billboard TOP15 “Tokyo to Osaka no Panties 2015”」っていうスペシャルな公演を2箇所4本やったんです。それが6人でやることの意味合いがすごくあるものになったというのと、「真ん中」っていうシングルとのリンクもあって、そこがすごく大きな山場だったかなっていう。自分的にはファーストから4枚アルバムを出して変化してるつもりはあるんですけど、もちろん。さらにまたここで新しいことを始めて、そのツアーで一旦、最初に思い描いてたものができたなっていう手応えがあったんですね。

―― なるほど。6人でのbrainchild’sはここで一旦終了ということですね。次はまた全然違う方向にいくんだろうなと予想してたんですが、驚くほど今回はソリッドな仕上がりですよね。どれくらい前から考えてたんですか。こういうアルバムにしようというのは。

いつ頃だろうなあ。曲作ってる段階で、『あ、これ今のタイプじゃないな』ってわかったんで寝かせておいたんですけど、そうですね、『4』を作ってる最中に、なんとなく気持ち的には同時進行というか、沸々とあったんでしょうね。楽器に対する気持ちとか、サポートでやってる吉川晃司の現場で感じたこととかいろいろあって、ふたつ考え方があったというか。

―― 今回、新しめの曲はありますか。

「まん中」は録り直してるんでちょっと前になりますけど、ほぼほぼ書き下ろしですね。「群衆」くらいかな、ちょっと前からあったのは。『Major Code』とか『4』くらいの時に作ってて、『あ、これは今出せないな』って感じで寝かせておいたのが「群衆」、あといちばん最後の曲「春という暴力」もちょっとそれに近いかな。アイデアだけあって、全然形にはなってなくて、ギターのリフだけ録っておいたりとか。歌だけちょっと適当なのを入れておいたとか。そういう段階でありましたね、その2曲は。

―― これほどソリッドな音が出てくるとは思いませんでした。

そうか、そうだよね。自分が歌わないって決めたからね。

―― 最初から?

元々がギタリストだから、アンサンブル的に、歌いながら弾けるかどうかとか考えちゃうんですよ、曲を作る時に。そこで歌の自由度とかギターの自由度とかっていうのは、ある種制限されるんですけど、だからギターだけでやろうって決めた時には、『歌を気にせずにギター弾いていいんだ』って。そう思ったら、それはそれで好きなことができるっていう割り振りがもう頭の中にあったんですよね。だから今回のアルバムは自由度が増してるんじゃないかと思います、自分の中でも。なんだろう、満遍なく歌わなくてもいいかなとか思ったり、歌いたい時があったら歌えばいい、そういう気持ちを大事にしたいなと思って。メッセージがあったり、思ったことがあったり、それを自分で歌いたいと思ったら歌えばいい。それでいいんじゃないかなと思ったんですよね。『別にギターでも歌えるしな』、と思って。詞は無くてもね。

―― ギターでも歌える。なるほど。

だったら、いい詞を書いてくれる奴もいるし、いい歌を歌ってくれる奴もいるし、それはそれでアリだなと。それらが混ざったときにもっと上のとこへ行ける、さらに上の段階へ行けるんじゃないかと自分の中で思ったんですよね。その臨機応変さがアルバムに繋がってるんじゃないかな。

―― 鶴の神田さんをはじめ、FoZZtoneの渡會さん、Jake stone garageの岩中さんといった新しい顔ぶれが揃いましたね。

元々、メンバーを増やしたいなとは思っていて。やっぱりみんな忙しい人たちだし、何かやりたい時に全員集まらないってことがあったり、その状況打破も考えたりしてたんです。その上で、ほかにも一緒にやれる人がいないかなと思ってたことも、これまでとは違ったソリッドなことをやりたいと思ってたこともあって、メンバーをどうしようかなと。

―― 神田さんはbrainchild’sとは近い関係にありますもんね。

神田くんのベースがすごく好きなんですよ。ある時、brainchild’sの企画で、鶴の沖縄ライヴに潜入しに行ったことがあって、その時の打ち上げで神田くんと飲んでた時に『なんかやりましょうか』みたいな話になって、そこから具体化してった感じで。神田くんが言いだしたのか忘れちゃったんですけど『やりたいね』って俺も一応言って。ま、飲んだ勢いもありますけどね(笑)。

―― (笑)。

それでベースは決まった。じゃあ、ほかのメンバー探そうと思って『誰かいない?』ってスタッフに声かけてて。そしたら『すごいドラマ―がいるよ』ってドラムのヒデくんを紹介してもらったんです。で、ライヴ観に行かせてもらったら、すっげえ派手なことやってて(笑)、なんか尖がった奴で。早川(誠一郎)くんもすごい派手だし、ドラミングの音もデカイし、ちょっとだけヒデくんと被ってるとこもあるんだけど、性格の違いなんだか、どこか違ってて。早川くんはテクニシャンだし、いろんな現場踏んでるんで、もちろん音楽的にも空気読めるし、人間的にもそういうことできるし、ああみえてすごい器用だし、言ったことすぐできるタイプで。対して、ヒデくんはもっとバンドマンで、もちろん器用は器用なんだけど、もうちょっとバンド的なアプローチっていうか、そこに重点を置くタイプなんですよ。ドラムに関しては、ドラマーが替わったからパワー感が変わっちゃったっていうのは嫌なんで、そこはキープしつつもその方向性が違ってるっていうのはすごく面白くて、パッと見た時に、それを感じて、後で声をかけたんです。それでドラマーも決まった。

―― なるほど。渡會さんはどういう経緯で?

渡會くんは、制作の人間が元々FoZZtoneをやってて、たまたまバンドが休止したよ、みたいな話で、じゃあちょっと研究したいからって言って、音資料もらったり、ライヴDVD借りてもらったり、自分もYouTubeで見たりしてたんです。そしたら、もうとにかく、あの「Reach to Mars」っていう曲がすごく好きになっちゃって、『あ、このヴォーカリストいいな』って。で、ライヴの映像観たら、すごく華もあるし、存在感っていうかスケールも大きいっていうか、こういうタイプいないしね、brainchild’sに。是非彼とやってみたいと思ってまた声をかけて。そしたら、ま、二人ともまあ、二つ返事っていうかね、『はいはい』みたいな感じで(笑)承諾してくれたんで『あ、やった!』みたいな(笑)。

―― それはEMMAさんに言われたら・・・

いやいやいや、それで断られたら困るじゃないですか(笑)。緊張してますよ、こっちも。全然、毛色が違う人いますもん。で、渡會くんに聞いてみたら、イエロー・モンキーをすごく好きでいてくれたりね、吉井のソロも大好きみたいなんですよ。で、ヒデくんは全然そんな空気は出してなくて。Jake stone garageってどっちかっていうと突っ走る系のバンドだから、こっちの系譜の人間じゃないんだろうなと思ってたんですよ。で、いざスタジオに入って、俺がイエロー・モンキーの曲を弾き始めたら、叩けるんですよ。『あれ?どうしたんだろう?』と思ってたら、後々メールが来て『実は昔、大好きでした』みたいな。『なんだ、隠してたんだ』みたいな(笑)。

―― (笑)。

そのギャップもあったりとかして。結局は、そうですね。うまいところに収まってくれてよかったですけど。

―― 神田さんはもう間違いないという感じでしたか。

そうですね。前にもセッションしてますし、brainchild’sでも2曲ほど弾いてもらってるし、で、僕も鶴のツアーとかにも参加してるんで、もう彼のスタイルとかもわかってるし。あの天才的なグルーヴを出す感じってのは、神田先生さすがだなって・・・なんか先生になっちゃった(笑)。

―― (笑)。今回、brainchild’s七期目なんですか?

そうなんです。一番初めは奥田美和子ちゃん、次がKeita(The Newest)が入った時、三期生で俺が歌い始めて(笑)。俺、高岸由真くん、早川誠一郎くんは三期生です。そこに加わったのが四期生で秋野(温)くん、で、大迫章弘くんが加わって五期生。で、この間のツアーで鍵盤のMALくんっていう子が入ってきて六期生。で、今が七期生です(笑)。

―― 元々、アルバムの世界観が出来上がってたから、このメンバーになったということですか。

それはありますね。まあ神田くんはなんでもイケるだろうって、みんな思ってたんですけど、ヒデくんと渡會くんに関しては、アルバムのイメージを具現化してくれる人を探してたのでね。

―― 六期生のメンバーとやることは考えてなかったんですか。

うん。6人でやってた六期生のスタイルだとソリッド過ぎるかなと。音数少なくしたかったんで、もしライヴでやった時、何もしない人が出てきちゃうみたいな(笑)。半端な形になっちゃうんで、それは違うと思って、やらなかったんです。

―― では最初から4ピースでやろうと。

そうですね。曲のアイデアは山ほどあるんで、その中からどんなタイプを今回やりたいかっていうのもまずあるしね。だから6人7人でできる曲のストックもあるし。あとはモードですかね、自分のね。まずギターを弾きたかったの、純粋に、歌に囚われず。

―― アオレンジャー的な。

アオレンジャー的な。そうそうそうそう。ということをやりたかった、そういうのはあります。まあ歌いながらギター弾くっていうのも、格好いいといえば格好いいんでしょうけど、両方完璧に歌わせるの難しいなって、歌いながらだと。やっぱり、こっちは伴奏になっちゃうなと思って。そこがやっぱり難しいから。こっちを、ギターのほうを伴奏にしたくないなっていう気持ちですよね。

―― 渡會さんに作詞まで委ねたのはどういった考えからですか。

最近はもう、歌う人に詞を書いてもらったほうが本人の言葉になりやすいし、聴いてる人に伝わりやすいなって思うことが強くて。もちろん昭和のアイドルとか歌手とかは、詞を自分のものにして歌える人ももちろんいたでしょうけど、今はそういう時代でもないから。歌ってる人が言いたいことを言うっていう時代に近いじゃないですか。だからそっちのほうがいいかなと思って。たまにはちょっとやってみたくはなりますけどね。俺が書いた詞を俺の気持ちで歌ったりとか、そういうのはありますけど、今は違うなと。

―― たとえば「Phase2」なら『これは「Phase2」という曲だよ』と言って渡すんですか。

いや、違いますね。今回は、ほとんどイメージなしに渡してます。『好きに書いていいよ』って。だから曲のイメージも、どういう思いで書いたかとかも言わなかったけど、何かを感じて、自分でもそう思って書いてきてくれたりとか、そういうところはすごいなって思いますね。わかってもらえてるとこもあるし、自分がやりたいことも見せてくれてるし、よかったなと思います。

―― EMMAさんが思い描いたイメージとはまったく違う詞がついてきたのはどの曲ですか。

Rock band on the beach」かな。俺はもうちょっと違うかなと思ってたから、予想外だった。「beach」が予想外ですね(笑)。

―― (笑)。

本人曰く、『EMMAさんが絶対やらないことを想像しながら書いた』って。まあ、そうですね。本人の遊び心ですよね。

―― EMMAさんが絶対やらないことですか・・・

ピニャコラーダ、飲まないでしょ(笑)。でもヤキソバは食べちゃう(笑)。ヤキソバにはやっぱりビールですよ。

―― ですね(笑)。EMMAさんが仮歌を歌ってみたとか、そういうのもなく?

仮歌は全部入れといて、まあ、だいたいのサビのメロディとかは準じて歌ってくれてるんですけど、あとは彼の歌い回しとか歌詞に応じて、変えてみてもらってもいいよって渡してて。で、結構自分なりに考えて、言葉の数とかに合わせて変えてきたりしてくれました。

―― このワードは入れてほしいとか?

ワードも言いませんでしたね。

―― 鼻歌で。

そうそう。俺が歌ってるハナモゲの言葉っぽいのは入れたいって言って入れてくれたりとかしましたね。どこだかちょっと忘れちゃったけど。どこだったかなあ。俺も覚えてないんだけど。そういうところを大切にして、それっぽい言葉を乗せてくれてるんでしょうね。適当な英語みたいな、英語になってない英語(笑)。それをもじった言葉を入れてくれたりとかはしてますね。

―― 「群衆」なんかはメッセージ性の強い曲ですね。

まあそうですね。ちょっと国民性も出たりとか、ね。そういうところも今までの作品を聴いてくれて、そういう方向性の歌詞も入れた方がいいんじゃないかと思って入れてくれてるんでしょうね。

―― そこはbrainchild’sらしさに繋がりますね。

そうですね。うん、うん。「春という暴力」も、暴力って言葉自体が攻撃的じゃないですか。そういう言葉を敢えて使ったりとかするところも、brainchild’sっぽいかなって思いますね。

―― タイトルはなぜ『HUSTLER』なんですか。

Rock band on the beach」の歌詞の中に、“ハッスル”って言葉が出てくるんですけど、公式サイトの動画を録ってる時に、ハッスルとかマッスルとか言ってて。今回のキーワードは“ハッスル”だなと思って(笑)、ゴリ押し的なところがね。直訳するとゴリ押しってことだから。今回のこの楽曲をこのメンバー4人でやるっていうのは、今までのbrainchild’sからしたらゴリ押しだなと思って。で、“ハッスル”から“ハスラー”って言葉が浮かんで、どんな意味なんだろうってちゃんと調べたら、「ゴリ押しする人」っていう直訳もあるんですけど、「ペテン師」「詐欺師」的な意味も向こうではあるよって書いてあって。ウチらはそういう要素もあるなと思って、特にこの4人は。じゃあタイトルは『HUSTLER』にしようと。

―― ペテン師の要素がある4人。

うん。あると思うんですよね。一番(要素が)ないのはヒデくんかなと思うんですけど、フロント3人はペテン師っぽい。まあ、ルックスも含めてね。ちょっとラテンっぽいじゃないですか、造形も。なんだろうな、イタリアマフィア的なラテンの匂い?まあそれかな、と思って(笑)。

―― (笑)。brainchild’sを今まで聴いてきた人も裏切る、という意味でもありますしね。

そう。『こっちにもおいでよ』みたいなね。

―― バンドの後はもっとデジタルな方向に行くのかなとも思いましたが。

それぞれのバンドとかソロでやってる音楽性とは違うと思うんですよ。ヒデくんにしても神田くんにしても渡會くんにしても。それとまた違うカテゴリーを作って、そこでまあ、なんだろう、新生brainchild’sって言ったらいいんですかね、それを創り上げたいなと思ったんで。デジタルはさすがにちょっとしばらくお休みでいいかなと思って。なんか「ワッショイ」っていう感じっていうか(笑)。まさにゴリ押しな感じかな。それを僕以外の3人にもチャレンジしてもらいたかったっていうのはありましたね。

―― レコーディングはどうだったんですか。

音録り自体は順調でしたね。もうホントに、ギターのベーシックは「いっせーのせ」で録ってるので、仮歌も同時に歌ってもらったりして、その時の空気感をそのままパッケージしてる感じですね。2テイクぐらいでみんな録れちゃった。何回かリハやってるんですよね。2回ぐらいかな。それでちょっと違うなってところが1箇所2箇所あって、それはその場で言ったりとかしましたけど、あとは本人のセンスに任せて。

―― EMMAさんの中にコンセプトはあったんですか。

そこまでコンセプトは意識してないです。本当にやりたいことを、あまり奇を衒わずやった感じ。今までの中でいちばん奇を衒ってない。ストレートにやった感じですね。

―― EMMAさんの個性あるギターが全開ですね。

まあ、そうですね。レコーディングがすごく楽しくて。みんなでやるのも楽しいし、ギターの音出すのも楽しいし。スケジュールは押してた。押してたけど、音録り自体はなんかすごく順調にいきました。今回、DVDが付いててそこでも言ったんですけど、なんか宝くじに当たったような気分で。メンバー集めて出した音が、こんなにもなるんだと思って。300円が何倍にもなる感じ(笑)。ホントに儲けもんって言っていいと思うくらい、そういう気分ですね。

―― 初めてのメンバーだとそれなりに緊張もあったと思うんですけど。

あんまりしてないように見える・・・ま、緊張してるんだろうけど、そうだね。それは俺のユルさでなんとか(笑)。

―― (笑)。現在のところ、最強メンバーであると。

まあね、そうね。瞬発力のある感じというか、それは素晴らしいですね。今までのメンバーもこういう形でやったらそういう風にはなったんでしょうけど、やっぱ自分の頭の方が大きいから『こうしてくれ』とかそういうことも、今までは結構あったんで、今回はそれを取り払って、ギターに徹することで自由度も増してると思うしね。個々がうまい具合に才能を発揮してくれたっていうのが、今回かなと思ってます。

―― それはプロデューサー的な考え方ですね。

そうなんですかね。あとまあ自分の欲望的に、僕の世代と彼らの世代と、ましてやもっと若い世代との融合っていうのはやっぱりあったほうがいいんじゃないかと思うんですよね。そこを目指したいんです。

―― ツアーはもう間もなくですが。

そうなんですよね。

―― この7曲以外にももちろん演奏されるんでしょうけど。

そうですね、だから自分が歌った曲は自分で歌うでしょうけど、それ以外、3人で歌った曲とかは渡會くんに歌ってもらう形になると思う。それはそれですごく楽しみ。曲によっては俺が歌ったものも歌ってもらうこともあるかもしれないし。でもまあ、どうなるかわかんない。いろいろ考えてる最中です。brainchild’sに鍵盤が入ってないツアーは今回が初めてだからねえ。まあソリッドはソリッドだけど、肉体を感じてもらえればいいかなっていう、今まで以上に。うん。肉体かな。肉体だね。いや、いろんな意味で。ホントに肉体出す人もいるかもしれない(笑)。ま、音もそうだし。シーケンスも、あって1~2曲だと思うし、やったとしても。それもなくしちゃうかもしれないし。だからだいぶカラーが変わると思います。

―― 肉体といえば「まん中」という曲はEMMAさんが書いた曲でEMMAさん自身が歌ってますけど、これはEMMAさん史上いちばん色っぽい、肉体的な曲だと思います。

ラヴソングなんで、もちろんそういうこともありますし、そういう風に歌いたかったんですよね。たぶんシングルの時より、さらになまめかしいかもしれない、今回のテイクは。音も少ないし、声ももうちょっと近くで歌ってる感じにしてるんで。シングルの時よりはそれこそ肉体感のある歌い方で。

―― EMMAさんの歌も進化してますね。

確かにね(笑)。だから自分の中でも「まん中」を歌えたからしばらく歌わなくてもいいかなと思ったところはあるんで。それくらいの気持ちで歌った曲ですね。

―― それが6曲目にあることで、このアルバムがソリッドなものだけじゃないってところに落ち着くと思うんですよね。

自分的にはなんとなく、アルバムの後半は季節を意識してて。発売の時期とかそういうのは関係なく、季節を感じさせたいなと思って。順序は全然関係なくて「春という暴力」はもちろん春だけど、「Rock band on the beach」は夏なんですよ。で、「まん中」は夏の終わり、イメージ的に。そこで夏が来た後に『夏が終わっていくな』っていう人肌恋しさとかそういうのも含めて、「まん中」をそこに持ってきたっていうか。ここだけはちょっとストーリーというか勢いだけじゃない、ゴリ押しじゃない部分もある。その流れで、次は秋なのに春がきちゃうんだけど、四季を感じる、季節を感じるものを持ってきたっていうのはありますね。

―― なるほど。そういうところはイエロー・モンキーと近いかなと思いますけどね。

ああ、それはあるかもね。

―― 「春という暴力」は、イエロー・モンキーからbrainchild’sを経過してきたこれまでを象徴するような曲だと思うんですよ。

ああ・・・アルバムの最後にもってきて余計そう思いましたね。後になって気付いたんですけどね。